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脳の視床下部が抗老化の鍵に?噛む大切さとメリットを知ろう

もっと見るタグ: アンチエイジング, ホルモン, ホルモンバランス, 健康雑学, 口腔衛生, 咀嚼, , 視床下部, 酸化ストレス

2017年、科学専門紙「Nature」に発表された内容によると、脳にある視床下部の細胞が、老化の進行に関して大きく関与していることが明らかになったそうです。どのような影響があるか、詳細を知るには更なる研究が必要とのことですが、人生100年時代を生きる私たちが、より良く・より健康に年を重ねるための手がかりになるかもしれません。

視床下部は脳幹の中にあるアーモンドほどの小さな器官ですが、その働きは驚くほど多岐に及んでいます。主な機能は、代謝機能や体温調節機能、心臓血管機能、内分泌機能など。これらの調節を担いながら、ホルモン分泌の制御も行う、重要な器官です。
これらのことから、視床下部は人が生きるための活動全体を支え、ひとときの休みもなく働き続けていることが容易に想像できますね。

精神的なストレスとそれに関連する酸化ストレスが、脳の敵である

上述の通り、脳は想像するよりもずっと働き詰めで、休む暇もありません。ですから、脳に必要以上の負担を掛けたり、疲労を増すことに繋がる行為は極力控えたいものです。

実は、人が精神的なストレスを感じている時、脳ではエネルギー消費が進み、活性酸素が増産されることがわかっています。そしてこの活性酸素は、脳を構成する神経細胞「ニューロン」を壊し、細胞が新生する力を低下させ、老化に拍車を掛けることがわかっています。

また一方で、神経細胞「ニューロン」が減少し、視床下部にストレスが掛かった状態が続くと、消化や代謝にまつわる「レプチン」というホルモンの抵抗性が上がり、結果的に肥満や糖尿病のリスクが上昇することもわかっています。

精神的ストレスが原因で、慢性的な高脂肪食習慣がつくと、酸化ストレスも増えるという悪循環が生まれるため注意が必要です。

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酸化ストレスを低減するための食習慣とは?

では現代的な生活で、脳の酸化ストレスと負の相関性を持つ食習慣には、どんなものがあるでしょうか。

柔らかい食感を好んでしまう
現代の食事は、昔に比べて口当たりのなめらかなものが多いことも、脳の酸化ストレスを増大する要因として見逃せません。
実は、摂食抑制効果を持つ「ヒスタミン」は、咀嚼運動で起こるリズムによって活発化します。「ヒスタミン」は過食行動を抑え、脳への酸化ストレスを低減させる働きを持っています。

一方、歩行や呼吸、咀嚼や太陽光などのリズム運動などの刺激で活性化される「セロトニン」は、強い抗酸化作用を持つ「メラトニン」の材料になります。「セロトニン」が活性化されると、結果的に神経細胞「ニューロン」の酸化を抑制することにつながる、というわけです。

日々の食事の中で、白米を玄米に変えたり、料理の際に野菜を少し大ぶりにカットしたり、歯ごたえが残る調理にしたり工夫するだけでも、咀嚼の回数は格段に多くなるはずです。簡単なところだと、キシリトールなど虫歯を抑制する成分を配合したガムなどで、噛む行為を意識的に増やしてみるのも、良い方法です。

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野菜不足は抗酸化成分不足の可能性も!
健康道場のコラムでも、度々現代人の野菜不足について触れてきました。ビタミン類や食物繊維が不足するということは、実はフィトケミカルと呼ばれる抗酸化成分の摂取が十分でないということでもあります。

ニンジンに含まれるβ-カロテンや、トマトに含まれるリコピンなどのカロテノイドや、ベリー類に含まれるアントシアニンや、大豆に含まれるイソフラボンなど、テレビや雑誌などのメディアでも「健康効果がある成分」として、聞き覚えのあるものが多いのではないでしょうか?これらの抗酸化成分を効果的に摂取するには、まず日々の野菜不足を解消することが大切です。

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咀嚼が健康に与える影響は、他にも!

上記に挙げた健康効果以外にも、咀嚼によって得られる効果はたくさんあります。

唾液の分泌が上がる
咀嚼で耳下腺が刺激され、自然と唾液の分泌量が増加します。唾液が増えると、口の粘膜が潤うため、口内細菌の増殖を抑えられます。結果として、口臭や虫歯、歯周病などのトラブルの回避に役立ちます。

消化を助けて胃腸の負担を軽減
噛むことで満腹中枢が刺激されると、過食が予防できる他、消化に必要なエネルギーが減り、身体も疲れにくくなります。また咀嚼回数が増えると、唾液に含まれる消化酵素・アミラーゼが増え、食べ物の消化を助けてくれます。

美味しさを感じるのも、咀嚼の大きな役割
舌で感じる味覚の他、香りや食感や温度や咀嚼音などの物理的感覚も、美味しさを形成する大切な要素です。食感を感じるチカラをキープするには、口腔環境を清浄に保ち、加齢による歯数減少をできるだけ低減することが大切です。

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