「近頃、夜中にトイレで目覚めてしまう……。」
生理現象とはいえ、睡眠が分断されるのは心地よいものではありませんよね。
睡眠負債に関する別のコラムでも触れていますが、夜中に目が覚めてしまう「途中覚醒」は、中年期を迎える頃から増加する傾向があると言われています。
途中覚醒は、なぜ加齢で増える?
不眠の原因は大きく分けて「心理的原因」「身体的原因」「精神医学的原因」「生理学的原因」「薬理学的原因」があると言われています。中でも途中覚醒に深く関与する要因をいくつか挙げてみましょう。
・ストレス
心理的な要因のひとつであるストレスは、覚醒を司るホルモンであるオレキシンの分泌を活発にすると言われています。
環境変化に伴うストレスなど避けられない事柄のほか、ハードワークや精神的なストレスは、残念ながら大人になると必然的に増えてしまうもの。しかも一度夜中に目を覚ましたことがきっかけとなり、翌日以降も夜中に目が覚めてしまいクセになってしまうことも。また、深夜の電話などが引き金になることもあります。
・睡眠を妨げる症状の中には、治療が必要なものも
睡眠のメカニズムとは直接関係はありませんが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)やレストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)、夜間頻尿などの身体的要因も途中覚醒の大きなきっかけになります。気になる症状が一定期間以上続くようであれば、医療機関に相談してみましょう。
ひとつ興味深いレポートをご紹介しましょう。
アメリカのランド・コーポレーションの調査によると、夜間尿意により一晩に2回以上トイレに行く人の割合は、アメリカの成人人口のうち12%程度。この12%の人々は、翌日の感情面や生産性に3%程度の低下を呈するというのです。驚くことに、夜間の尿意による途中覚醒の経済損失(試算)は、1年でおよそ444億ドルに上るとの言及も!
・PEEING AT NIGHT COULD COST THE UNITED STATES’ ECONOMY BILLIONS
・深酒やカフェインの服用も途中覚醒に影響する場合が
アルコールを摂取すると眠りが浅くなり利尿作用が高まることから、途中覚醒の原因になることがあります。またカフェインの摂取もアルコール同様、眠りを浅くする作用があることで知られています。たばこに含まれるニコチンも、覚醒作用のある成分です。
多量の摂取や、就寝前の摂取は控えめにしましょう。
「睡眠時間の確保」が難しければ「睡眠の質の向上」で対策を
時間に追われている現代人は、睡眠の重要性は理解していても、現実的に睡眠時間を確保することが難しい場面も多いもの。だとすれば尚更、今確保できている睡眠時間の質を高めてQOLが低下しないようケアすることが大切です。
・アクティブレスト(積極的休養)のために適度な運動を
アクティブレスト(積極的休養)という手法は、もともとスポーツ選手の疲労回復方法として確立・発展したものです。
軽度の全身運動は血流を良くし、疲労物質の排出を促進するため、筋肉痛やむくみ・だるさのような症状を軽減します。結果、質の良い睡眠をもたらすため、スポーツ選手でない方にも応用できる方法として注目を集めています。
- CHECK!
- 運動は睡眠の質を上げ、成長ホルモンの分泌をアップ!
・腸内環境を整えると、睡眠も整う
腸内環境の善し悪しが健康に様々な影響をもたらすことは近年よく知られるようになりました。中でも「脳腸相関」は睡眠の質を考える上でも重要なキーワードです。
サンスターは、口腔内環境を改善する可能性のある抗菌成分として、ラクトフェリンという乳製品由来のたんぱく質に着目。このラクトフェリンが、腸内の悪玉菌の育成を抑制し、善玉菌の増加を助ける作用を持つことを発見しました。
・食べすぎない、栄養バランスを整えること
疾患によるものではありませんが、過食による途中覚醒は意外と盲点かもしれません。
就寝前にたくさん食べると、睡眠中に血糖値の乱高下が起こり、睡眠の質を悪化させてしまう場合が。夕食はできるだけ早めに済ませ、食事の内容も血糖値の上昇が緩やかな野菜や、たんぱく質を中心に摂るように心がけることも大切です。
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