腸内フローラや脳腸相関など、腸と健康が密接に関わっていることを示すキーワードが、近年話題を集めています。
サンスターしみず師範に聞く腸のおもしろ話の中でも、腸にまつわる様々なお話をお届けしていますが、このコラムでは、腸をさらに健康に導く成分「ラクトフェリン」についてお話してみたいと思います。
ラクトフェリンってなに?
ラクトフェリンは牛乳(生乳)や人の初乳に多く含まれ、生まれたばかりの赤ちゃんを細菌の感染から防御する働きがある成分として知られています。
実は、ラクトフェリンは母乳だけでなく、私たち大人の唾液や涙など、粘膜を保護する分泌液中にも含まれており、私たちの身体を守る働きを担っています。つまり、赤ちゃんにはもちろんのこと、年齢や性別を問わず、すべての人にとって有益な感染防御成分だと言えます。
さらに、ラクトフェリンには、私たちの身体を病原体から守るという働きだけではなく、腸内環境を良好なバランスに保つ「健康維持作用」があるということが、近年の研究からわかってきました。
新しい腸内環境を整えるメソッド。ラクトフェリンの「腸育」とは
身体全体の免疫細胞の約7割が腸内に存在していると言われているのはご存知の通り。
腸は、食べ物の消化や吸収だけでなく、食べ物や唾液と一緒に消化器官に流れ込む様々な病原体の感染・拡大を防ぐ免疫器官としても働いています。
腸内環境を良くするためのアプローチの1つ「シンバイオティクス」をご存じでしょうか?
「シンバイオティクス」は、
①プロバイオティクス:良い菌そのものを摂る
②プレバイオティクス:良い菌のエサ(栄養源)になるものを摂る
という、2つの方法を組み合わせて行い、腸の働きを最大限に高めるための腸活手法です。
その一方で、サンスターでは新しい腸へのアプローチに注目し、研究を続けています。
単なる腸管の中の環境ではなく、「腸」自体に働きかける新しいアプローチがあると考えられており、サンスターではこれを「腸育」と呼んでいます。
ラクトフェリンは、「腸そのものに働きかけ、悪玉菌を追い出し、善玉菌が育ちやすいように腸内環境を整える」と考えられています。
腸育に寄与する可能性があるラクトフェリン、今後の研究に期待ですね!
加齢と腸内環境の関係とは?
腸内細菌のバランスは、年齢と共に変化することをご存じでしょうか。成年期から老年期にさしかかる頃から、ウェルシュ菌などの悪玉菌が増え、腸内細菌バランスは乱れてしまいます。これは、加齢により胃酸の働きが低下したり、腸の働きが衰え、食物が腸内に長く留まり、悪玉菌が増殖しやすい環境となることが一因と考えられています。
腸内環境は、ストレスを感じると崩れやすくなる
話は変わりますが、ストレスを感じるとお腹の調子が悪くなる。こんな経験、誰しもあるのではないでしょうか? これは、脳と腸の間に密接な関わりがあることを示す一例で、この関係を「脳腸相関」といいます。こちらも近年、よく耳にするキーワードの一つです。
腸のおもしろ話 第6回 メンタルヘルスにも関係?腸内環境と心身の密接な関係の中でも触れていますが、腸内細菌と人の心の健康の相互影響については、腸内細菌の代謝や情報伝達など、これまでの研究からさまざまな考察や仮説が組み立てられるようになってきました。
簡単に言うと、腸の環境が安定すれば、ストレスも低減する可能性があるということです。腸を健康に保つことが、いかに大切かわりますね。
シンバイオティクスが、段々と世の中でもメジャーな腸活手法になってきましたが、さらにラクトフェリンによる「腸育」も組み合わせてより良い腸内環境を保つことが、私たちの健康を守る方法の1つと言えるかもしれません。
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