近年、腸内環境の検査機器・解析技術の進歩によって、腸内環境と全身の健康の関わりについて多くのことが解明されつつあります。
2019年1月、国立長寿医療研究センター・佐治直樹氏らの研究発表によると、日本の高齢者において、腸内細菌の組成と認知症が深く関連している可能性があることが分かったというレポートがありました。
特に高齢認知症患者には「バクテロイデス」という腸内細菌が少ないことが分かったそうです。「バクテロイデス」は腸内細菌の優勢菌と考えられ、そのグループに含まれる菌には免疫系を活性化したり、炎症を抑制したりする作用があると報告されています。
一方、内閣府の発表では、平成24(2012)年は65歳以上の高齢者の約7人に1人が認知症であると言われています。また令和7(2025)年には約5人に1人という推計もあるそうです。
このように、超高齢化社会に突入しつつある日本では、生活の質(QOL)を低下させる生活習慣病や加齢由来の疾患は、大きな関心ごとのひとつです。腸内細菌と認知症の関わりや具体的な対策は、引き続き研究が進んで行くことでしょう。
しかし、人は人生に待った!を掛けられません。ですので、今を生きる私たち一人ひとりが、10年先の健康のために出来ることを、地道に実践する大切さを改めて考えてみましょう。
「バクテロイデス」の腸内における働き
バクテロイデス属細菌は、主に腸管免疫系に対して免疫を高める作用を持つと言われています。小腸パイエル板に作用し、IgA産生誘導能を持つと言われており、ヒトの粘膜において感染を予防する役割に大きく貢献する菌です。
バクテロイデス属細菌は、日本人の腸内環境に多くいる優勢菌の一つで、免疫系の活性化作用など、人体に良い作用を持つ菌としての報告もされています。
主に水溶性食物繊維をエサとしていることでも知られる菌で、食生活における食物繊維の摂取が肝要であることがわかります。
- CHECK!
- シンバイオティクスとは?
免疫グロブリン(IgA)とは?
口腔や腸内などの粘膜は、常に抗原や有害な微生物にさらされています。粘膜には、これらの病原菌の侵入を防御する「局所免疫機構」というものが存在し、免疫グロブリン(IgA)はその一つです。
免疫グロブリン(IgA)は、さまざまな種類の病原菌に反応し無効化するという特徴を持ち、人体の健康保全の立役者的な存在です。
免疫グロブリン(IgA)の産生誘導能を有する他の成分として、ラクトフェリンなどのたんぱく質もよく知られています。
腸活✕腸育が大事なワケ
まずはバランスの良い食事でシンバイオティクス的「腸活」の実践を。そしてラクトフェリン等の成分で、積極的な守りの「腸育(※)」を行うこと。
これから10年先の健康を願うなら「腸活」「腸育」は大人のお作法とも言えるかもしれませんね。
サンスターでは、腸管の中の環境だけではなく、「腸」自体に働きかける新しいアプローチがあると考えており、この「腸」自体に働きかけるアプローチを、「腸育」と呼んでいます。
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