人が感じる美味しさは、実は舌で感じる味覚だけではありません。
例えば、味覚のほか、鼻で感じる香りなどの科学的感覚や、食感や温度、見た目の美しさや、咀嚼音などの物理的感覚も、美味しさを形成する大切な要素です。
中でも、歯や歯茎がセンサーとなって刺激として伝わる「食感」は、口腔環境の良し悪しによって、その感度がかなり異なることが分かってきました。
例えば、年配の方から「入れ歯にしてから、食事が美味しくない」というお話を聞いたことがありませんか?
歯と歯を支える歯茎の間には歯根膜(しこんまく)という組織があり、噛みごたえや歯ごたえという物理的な刺激を脳に伝えています。この刺激が脳に伝わり、他の感覚器官からの情報をあわせて補完し、美味しさを感知しているとされています。
そしてこの美味しさを感じるための重要なセンサーである歯根膜は、天然歯のみに存在し、歯が抜けると失われ二度と復元出来ないため、入れ歯やインプラントなどでは美味しさが感じにくくなると言われています。
生涯にわたって美味しい食事を楽しみ、人生を豊かに過ごすためには、お口の健康を保つことがとても大切なんですよ。
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