現代人は、柔らかさや滑らかさを嗜好として求めがちで、噛みごたえのある食事をする機会が少なくなっていると言われていますが、実は咀嚼(そしゃく)が人体にもたらすメリットは沢山あります。咀嚼をすると唾液が出ますが、唾液に含まれるアミラーゼという消化酵素がでんぷんの分解を助け、消化器官の負担を少なくすることや、脳への血流量が増え、記憶力・学習能力が向上すること、また口内環境の健全化などが、知られるところです。
また近年では、咀嚼が肥満防止対策としても、大変効果的であることが解っています。咀嚼回数が多い人は少ない人に比べ、脳内でヒスタミンという神経物質の分泌が増え、脳の視床下部にある満腹中枢が刺激され満腹感を得やすくなるため、食べすぎを防止することができるというもの。栄養価が高く咀嚼をあまり必要としない現代食は、ともすれば食べ過ぎを招き、肥満になりやすい傾向があります。平均寿命と健康寿命に開きがあると言われる現代社会。健やかなエイジングのためには、健康な歯を保ち、噛みごたえを重視した食生活を意識することが肝要です。
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