
適度に身体を動かすことは、健康を保つ上で不可欠です。
今回、こちらのコラムでは、運動が身体に及ぼす効果や影響について、「血管」という切り口から掘り下げてみようと思います。
運動と血管の関わりは?
筋肉を動かすことは、心臓に血液を戻すポンプの役割を担っています。つまり筋肉は、心臓の負荷を下げつつ、効率良く全身の血流を巡らせるために動かす必要があると言い換えることも出来ます。
御存知の通り、血流が改善すると栄養や酸素が身体の隅々まで届くため、アンチエイジング効果や毛細血管のゴースト化予防に繋がるとされています。また血流改善が、冷え性対策として期待できることも、想像に難くないでしょう。
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そして、運動には血管の柔軟性を保つ働きがあります。
身体を動かし血流が良くなると、血管内皮細胞から一酸化窒素(NO)が分泌されます。分泌された一酸化窒素は血管の内皮細胞に作用し、血管を拡張。その結果、血圧の安定や動脈硬化の予防効果があると言われています。
実は以前、道場コラムで紹介した下記の記事でご紹介しているハンドグリップ法も、一酸化窒素の分泌を促す作用を利用した高血圧対策。このことからもわかるように、筋肉を意識的に動かすことが血管の若々しさを保つカギになると言えます。
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血管の柔軟性を上げる運動とは?
上述のように、運動が血管に与える影響は様々です。
日々、適度な運動を行っているなら、あまり気にする必要はないかもしれません。しかし、ご自身の運動習慣が、身体にどのような効果をもたらすかを意識することで、運動意欲を高める助けになるかもしれません。ですので、有酸素運動と無酸素運動、ストレッチなど、運動種別でどのような効果が期待できるかをチェックしてみましょう。
有酸素運動
有酸素運動とは、主に比較的軽めな運動を長時間継続的に行い、脂肪や糖の燃焼するタイプの運動を指します。
筋肉を動かすエネルギー源「アデノシン三リン酸(ATP)」は、体内の脂肪や糖を燃焼させる時に発生しますが、このときに酸素を用いるため、有酸素運動と呼ばれています。ウォーキングやジョギング、あるいは水泳などの運動は、有酸素運動に分類されます。
血管を弛緩・拡張する一酸化窒素が分泌されるのは、血流が早くなり、血管の内側の内皮細胞に刺激が伝わる時。つまり有酸素運動は、血管を柔らかく保つ効果が大きいと言えるでしょう。
一酸化窒素を分泌するチカラは加齢によって徐々に弱くなっていくことも知られています。現在のご自身のおかれている状況によって、生活運動量は異なると思いますが、ウォーキングなどの軽い運動を、できるだけ意識的に実践すると良いのではないでしょう。
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無酸素運動
瞬発的に、筋肉が強い力を発揮する運動を無酸素運動と呼びます。
呼吸をほとんど止めた状態で行い、筋肉に貯めたグリコーゲン(糖)をエネルギーとして使うため、酸素を必要としません。短距離走や筋力トレーニング、あるいはパワーリフティングなどの競技も、無酸素運動に分類されます。
息を止めて強い力を出すと、急激に心拍数や血圧が上昇します。心臓発作や血管事故が起こりやすくなるため、高血圧や動脈硬化が気になる方は、まず医師に相談して行うようにしましょう。
また健常な人であっても、準備運動をまず行うことが大切です。
血管のことを考えれば、いきなり無酸素運動を行うことはおすすめできません。しかし、有酸素運動を継続的に行うためには、それ相応の筋力が必要。しっかり準備運動を行った後に適度な筋力トレーニングを行えば、筋力・体力の維持にも役立ちますので、無理のない範囲で実践しましょう。
ストレッチ
有酸素運動のメリットは十分わかっていても、天候や時間の問題で、毎日できない場合もあるかと思います。そこでオススメなのが、ストレッチ。場所を取らず、どこでも・いつでも出来るので、続けやすいのがポイントです。
実際、様々な研究の中で、ストレッチが血管の柔軟性に良い影響を及ぼすことが明らかになっていますので、気づいたらストレッチ!を習慣づけましょう。身体のコリがほぐれ、気持ちも楽になり、一石二鳥です。
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