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[京都]臨済宗大徳寺派 大徳寺塔頭 大仙院
大徳寺の塔頭(たっちゅう)、大仙院の座禅体験会
室町時代にもっとも盛んになったといわれる禅文化。その禅文化を今に伝えるお寺、大仙院では、毎月24日に定例座禅会を、さらに毎週土曜・日曜の夕方に週末座禅会が開催されています。座禅をしてみたいという人なら誰でも歓迎という垣根の低さで初心者でも優しく迎えてくれます。
(※要予約・詳しくは電話にて直接お問い合わせください)

情報を遮断し、自分と向き合う時間を得る
座禅というと修行のようにつらいものなのでは?と考える人もいるかもしれませんが、体験したあとは心からストレスが吐きだされ、ゆったりと満たされたような感覚を覚えます。大和宗貴和尚は言います。「毎日に一生懸命生きている人ほど、一方向しか見えていません。あらゆる雑念を全部捨てて、いろんな方向を見る時間にしてください」と。現代社会は目から耳から、ありとあらゆる情報が押し寄せてきます。座禅をしている間は、それらをひととき遮断し、自分と向き合える時間になります。
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冬の間は本堂で行われる座禅会。多いときは40名ほどになるそう。まずあぐらをかき、親指と四指で印相(いんそう)のかたちを作り、両手をももの上に。目は閉じるのではなく、半眼状態にして目線を前方に落とします。おへその下にある丹田(たんでん)を意識し、深い呼吸を心がけます
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雑念のあるときは振り払うきっかけをいただくために和尚様が自分の前にこられたら、手を合わせ合掌し、頭を下げます。そうすると和尚様が警策(きょうさく)で肩をたたいてくださいます
取材した日は底冷えする京都の冬の夕方でした。靴下を脱いで、はだしになるので、かなり寒かったのですが、座禅をして心を整えているうちに寒さがまったく気にならなくなっていくのは不思議な体験でした。座禅体験会は30分の座禅のあと、1~2分足をくずして休憩をとり、さらに30分の座禅を行う流れで、約1時間を要します。
「座禅をすると仏様は自分の中にいることがわかるはずです。自分の中に仏様がいるので自分を大切にする、一人ひとりの中に仏様がいると思えば、相手にも手を合わせる。神や仏を他に求めるあまり、求めた先の神や仏を唯一無二として、他者が信じる神や仏を拒絶し、認めないから争い事が起こるのでは無いで しょうか」という座禅後の和尚様のお話がとても胸に響きました。春休みと夏休みには親子座禅体験会もあるので、お子様と一緒に親子で体験するのもよいかもしれません。
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春から夏は庭に面した縁側にて行われます。あぐらをかくので、女性はスカートではなく、ズボンが望ましい。はだしになるので、ストッキングやタイツよりもすぐ脱げる靴下がおすすめです
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体が固く、あぐらをかけないという人は脚の後ろに挟む座布団を高めにして調整します。「最近は外国の方も上手にあぐらをかく方、増えましたよ」と和尚様。逆にあぐらをかけない日本人は増えているそうです



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塵ひとつ、枯れ葉ひとつ落ちていない本堂へと続く大仙院の玄関道。整然とした趣に背筋がしゃんとのびる心持ちです
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これまでの銅板葺きの屋根から、創建当初のひのき葺きへの改修工事が終わったばかりの本堂。玄関も国宝に指定されています
豪華絢爛から質実剛健まで多彩なお寺が存在する京都。その中にあって、簡素な中にも合理的な美が宿る大仙院のたたずまいに、日本独特の引き算の美学が息づいているようでした。そんな国宝のお寺の中で気軽に座禅ができるとはありがたい限り。1回、2回の体験ではもちろん心を無にする境地までは至りませんが、それでも邪念を払って心静かに自分と対峙する時間をもつことは、ストレス社会に生きる現代人にとってとても有意義なことではないでしょうか。
取材日:2015年2月20日

- 大徳寺塔頭大仙院 大和宗貴和尚
- 30歳のときに大徳寺塔頭大仙院で得度。10年間の会社勤めのち、相国寺専門道場にて雲水修業7年間を経て、大仙院副住職に。2007年より住職に就任。気さくなお人柄で、仏教の教えを一般人にもわかりやすく説いてくださいます。
臨済宗大徳寺派 大徳寺塔頭 大仙院
営業時間 | 3月~11月 9:00~17:00 12月~2月 9:00~16:30 |
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定休日 | 無休 |
交通 | JR京都駅より京都市バス乗車(約30分)大徳寺駅前下車 徒歩1分 〒603-8231 京都市北区大徳寺町54-1 (地図 ) |
電話 | 075-491-8346 |
WEBサイト | http://www.b-model.net/daisen-in/ |
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