私たちは、日常生活を送る上で必要なエネルギーを食事から摂取しています。そして、その余剰分が体内に蓄積されること、言い換えれば「食べ過ぎ」が肥満の原因であるというのが一般的な考え方です。しかし近年、食生活に関して新たな問題が提議されていることをご存知でしょうか?
厚生労働省が毎年発表する最新の「国民健康・栄養調査」を、「食事摂取基準量」と照らし合わせると、ビタミンA、ビタミンBなどの他、食物繊維などが、目標摂取量に達していないという状況です。また、品目ごとの摂取量については、野菜や果物が目標摂取量に達しておらず、特に若年層において野菜摂取量の不足が目立っています。
食事に含まれる様々な栄養素は、その働きによって
- ①活動のエネルギーになるもの
- ②骨や筋肉など身体を作るもの
- ③身体の調子を整えるもの
という3つに分類されます。この①②③の栄養素は、それぞれが影響を与え合います。
特に現代の食事は、エネルギー(カロリー)は足りているのに、②や③の栄養素に該当するたんぱく質やビタミン、ミネラルや食物繊維が不足している傾向にあります。ビタミンが不足すれば、エネルギー代謝が悪くなり余剰分は身体に蓄積されます。また、腸内環境を良好に保つ食物繊維が不足すると便秘がちになったり、血糖値の乱高下が起こりやすくなるなど、様々な形で肥満への道を加速させる要因にもなるとされています。
現代の日本で、「まさか栄養失調だなんて!」と、びっくりしつつも、一方で思い当たるフシがある……という方も多いのではないでしょうか。ファストフードやコンビニで食事をする若者。時間に余裕がなく、「安い・早い・美味い」の外食で食事を済ませてしまう働き盛りの世代。食が細ってしまい栄養の偏りが生じてくる高齢の方。こうして考えると、ほとんどの人がこの新型栄養失調、あるいはその予備軍と言えるかもしれません。
まずは、自分自身の1日の食事をリストアップし、その食事の中にはどのような栄養素が含まれているかを確認してみましょう。そうすれば、何が過剰で、何が不足しているかに気がつくことができ、食生活改善の第一歩となるはずですから!
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