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  3. 睡眠不足も週末の寝だめもNG?ソーシャルジェットラグとの付き合い方

朝型人間か夜型人間か。
これらのワードは、職場の同僚や友人同士でも、しばしば交わされることがあると思います。

概ね、時間に遅れる人が言い訳的な文脈で持ち出してしまうため、だらしなさや意欲の問題をすり替えでは?と疑念に思う方も多いかもしれません。でも実は、人の睡眠行動には個人差があり、朝型と夜型では最大約4時間ほどズレが生じることが、科学的にも証明されているんです。

ソーシャルジェットラグとは?

ソーシャルジェットラグとは、日常生活の中で生じうる「時差ボケ」状態のことで、2006年にドイツの睡眠学者が名付けた、比較的新しい睡眠障害のひとつとして認識されています。

わたしたちは、通勤や通学、家事などの社会生活を潤滑にこなすため、時間的な制約を受けています。
個々人が生来もつ睡眠相(睡眠のリズム)は、このような社会時間とそもそも不一致があると言われており、様々なタイミングで小さな「時差ボケ」が生まれているのです。

結果、平日に少しずつ睡眠不足が蓄積され、週の後半には睡眠負債化し、代償として週末に「寝だめ」をする。このような睡眠行動パターンの相違によって生まれる睡眠相の振れ幅は、およそ3時間程度と言われています。

クロノタイプは個々によって大きく異なる

先程、「個々人が生来もつ睡眠相(睡眠のリズム)は、社会時間とそもそも不一致がある」と記載しましたが、その不一致の大小もまた、個人によって異なります。

社会時間と個人の睡眠相が比較的合致している場合は、睡眠に関する問題が出にくいものです。
一方で,体質的な長時間睡眠者や夜型指向性など内的要因が、ソーシャルジェットラグの引き金になることも少なくありません。

これにはクロノタイプ(※)が影響すると言われています。
異なるクロノタイプ間では、生理機能リズム位相(睡眠ホルモン分泌や深部体温など)に明確な群間差があると言われています。とある資料によると、成人の約30%は夜型指向性の強いクロノタイプに属しており、朝型指向性の強いタイプと比較すると、平均して2時間ほど時差があるという調査結果もあります。

※クロノタイプ(Chronotype)とは……
睡眠相の朝型・夜型に関わる特性のこと。他の呼称として「日周指向性(Diurnal preference)」や「概日リズム型(Circadian typology)」などがあります。

社会時間の制約やクロノタイプ以外にも、要因はある?

ソーシャルジェットラグの要因には、長時間勤務や夜勤、交替勤務(シフトワーク)、サマータイム制度など、仕事にまつわる社会時間の制約を受けるものがほとんどです。

しかし私たちの生活の中にも、ソーシャルジェットラグを引き起こす意外な要因が潜んでいます。

季節にも影響される可能性も?
直接要因ではありませんが、季節が生体リズムに及ぼす影響により、ソーシャルジェットラグの時差が大きくなる可能性があります。日照時間が少なく、日の出の遅い冬は、体内時計をリセットするタイミングが後進しがちです。

CHECK
陽の短い季節は心のケアも。ウインターブルーにご注意を

通勤電車やバスでの睡眠もNG?
こちらは睡眠に関する豆知識として、覚えておいてほしいことの一つ。睡眠は細切れで取るよりも、まとめて取るほうが、ノンレム睡眠(徐波睡眠)を深くしっかりと取ることができることが分かっています。日中に30分以上の睡眠を取ってしまうと、夜の睡眠に悪影響が出ることも。特に帰りの通勤電車で眠るのは、できる限り控えたほうが良さそうですよ。

CHECK
睡眠にまつわる疑問。睡眠のゴールデンタイムってホントにあるの?

とはいっても、上回って疲れていたり、睡眠が圧倒的に不足している場合は、通勤電車でのうとうとも仕方のないこと。そんな時は、あまり無理をせず、眠りに身を委ねてしまいましょう。

睡眠に影響する要因は他にも様々あります。
「毎日、お疲れさま」の気持ちを込めて、ご自身の生活スタイルに応じた、別の睡眠感改善対策を試してみるのも良いかもしれません。

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