突然ですが、みなさんは快便ですか?
腸内環境の良し悪しは健康の礎であり、健全な便通は腸内環境を映し出す鏡のようなものです。とはいえ、現代日本では、便通に何かしらの不調を抱えている方が多いのも事実。人知れず悩みを抱えているという方も少なくないようです。
2014年発表の日本消化器学会「機能性消化管疾患診断ガイドライン」によると、国内の成人における過敏性腸症候群(IBS)の有病率は、13%前後(※1)。また、病気とまでは行かなくても便秘や下痢で困っている人は多く、胸を張って「わたしは快便です!」と言える人は少数派と言えるでしょう。
便通の不調である過敏性腸症候群(IBS)には様々なタイプがあり、大きく分けると「下痢型」「便秘型」「複合型(下痢と便秘を繰り返す)」の3つが代表的です。それぞれのタイプでさらに細分化され、便通改善のためのアプローチも異なります。
ただし、それ以前に正常な便通に必要な条件として満たすべき要件もあります。それは「出すに適した量(便のかさ)」が十分あるか否か。一定量以上のかさがあれば、腸壁が刺激されて蠕動運動(ぜんどううんどう)が活発になり、滑らかなお通じにつながるためです。
ある調査(※2)では、排便量と自殺率は反比例の相関性があるという報告があります。
便のかさがあれば快便であり、快便なほど腸の調子がよく、「幸せホルモン」と言われるドーパミンやセロトニンの前駆体の腸内産生が増え、うつ病などの疾患が減少し、自殺率(=前向きに生きている)も低くなるというわけです。幸せは快便がもたらすというのも、不思議な話ですね!
では、便とは一体に何で出来ているのか?を考えてみましょう。
摂取した食品が胃や腸を通過する過程で、腸管粘膜を通して必要な栄養だけを吸収します。その「残りかす」が便になるのですが、概ねその量は便重量の約3分の1と言われています。そして残りの3分の2程度は水分なんですよ。意外に水分が多いんだなぁと驚かれた人も多いかもしれませんね。
今度は「食べかす」の方に目を向けてみましょう。摂取した栄養の中でも、たんぱく質や糖質のような栄養素は取り込まれやすいため、当然、食べかすとしての残量が少なくなる傾向があります。反対に食物繊維などの消化されにくい性質のものが、便のかさの増減に大きな影響を与えます。
このことから分かるように、適度な水分と食物繊維の摂取が、快適な排便に適した「便のかさ」を作るのです。また消化されずに腸に到達した水溶性・不溶性の食物繊維は、腸内細菌たちの格好の獲物であり大好物であることも忘れてはなりません。
水分について
水は人間の身体にとって不可欠なものです。しかし加齢によって適切な保水力(身体に水を保つチカラ)が弱まる傾向があり、腸においても例外ではありません。電解質と糖質のバランスに配慮した吸収しやすい水分を、こまめに補給することも大切です。季節にもよりますが、適した温度(冷たすぎない)で摂取することも心がけましょう。
食物繊維について
国民栄養調査によると、日本人の食物繊維摂取量は1950年以降減少し続けているそうです。食生活の欧米化で動物性食品摂取が増加し、日本人の主食である米や雑穀、野菜などの摂取が減ったことが原因であるとされています。健全な排便には、日々の食生活に取り入れやすい方法で食物繊維をプラスすることが大切です。
食事に青汁をプラスすれば、食物繊維も気軽にとれる
過去にサンスターが行った調査によると、1日に青汁2本(※3)を3週間摂取することで、便性や便通の改善に対し有意に作用することがわかりました。青汁などの緑色野菜・果物混合飲料には、食物繊維が豊富に含まれており、腸内細菌や便通に対して良い影響を与えることを裏付けた調査であるとも言えます。
食事習慣を一気に変えることは難しくても、日々の飲料の一部を青汁に置き換えるだけでも、腸の状態を良くし、まさしく「不便」をなくす手助けになりますよ。
- (※1)2014年発表の日本消化器学会「機能性消化管疾患診断ガイドライン」参照。調査報告ごとに病態判定の基準が異なること、調査参加パネル相違による微細な誤差がある可能性は否定しないものとするとの記載あり。
- (※2)藤田紘一郎著「脳はバカ、腸はかしこい」(三五館、2012)より
- (※3)Effects of A Green Vegetable Juice Product on Defecation and Fecal Microflora in Healthy Human Volunteers. 緑色野菜・果物混合飲料摂取が健常成人の便性および糞便菌叢に及ぼす影響 2nd ICoFF (1999) ICoFF: International Conference on Food Factor
不足しがちな食物繊維を、気軽に補給
野菜不足が気なる方に。お腹の調子を整え、便通改善をサポートする食物繊維やビタミンなどが豊富。キャベツやブロッコリーなどの青野菜のチカラがぎゅっと詰まった青汁で、健康チャージ習慣を。1缶で約160g分の野菜量を補えます。
関連記事
- 【twitter】
- 【facebook】
- 【mixi】