若い頃に比べて、注意力、集中力がない。うっかりミスが増えた。人の名前や言いたい言葉が出てこなくてイライラする……。このような症状は誰にでも起こり得ることですが、あまりに頻繁だと心配ですよね。
脳は大きく分けて、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉に分かれており、部位によって機能が低下した際に出現する症状が異なります。注意力や集中力を司る前頭葉(ぜんとうよう)は、加齢に伴いだんだん血流量が低下することが解っています。このようなことから、ある程度の年齢になると、物忘れやうっかりミスが多くなるというわけです。
もちろん、加齢だけが原因ではありません。
仕事や、日常生活で感じる心理不安やストレスが、前頭葉の血流量を一層低下させる要因になることもあれば、近年ではスマホ利用が前頭葉への血流を下げるという研究報告も。
このように現代的な社会生活の中には、前頭葉にとって嬉しくない要素が多分に含まれているのです。
では、生涯にわたって若々しい脳を保つには、どんな方法があるのでしょうか?
その手がかりとなる研究成果について、ご紹介してみたいと思います。
ぼんやりする。すると前頭葉の血流量が増えてくる
今までの脳科学では「何かをしているとき」の脳活動の調査・知見に目を向けることが一般的でした。しかし近年では「ぼんやりしているとき」の脳活動に大きな注目が集まっています。
脳が安静状態(何もしてない)の時に使用するエネルギーは,何かしているときに使われる脳エネルギーの20倍に昇ると言われています。この無意識下で働く脳の活動は「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」と呼ばれ、脳内のさまざまな神経活動を同調する機能を司っていると言われています。
脳のON-OFFスイッチを上手に使う
ずっとぼんやりしていればいいわけではありません。ぼんやりしたままだと日常生活に支障をきたす上、脳のエネルギー消費量が格段に増えることを意味しますので、かえって脳疲労を引き起こす原因になりかねません。
つまり脳の活動を意識的にON-OFF切り替えることが出来るようになれば、前頭葉の血流改善にもよい効果が見込めるといえるでしょう。
ストレスに強い心をもつ。自分なりのリフレッシュ法を
ストレスを完全になくすことは出来ません。適度なストレスは人を成長させる原動力となる場合もありますし、全てが悪いものだとも限りません。ならば日常的ストレスにうまく対処し適応できる力(レジリエンス、回復力とも)を、身につけておくことが肝要です。
リフレッシュの仕方は人それぞれですが、簡単かつ誰に対しても有効なストレス解消の手段として、身体を動かしたり、お風呂に入って全身の血行を良くするという方法があります。
これはわたしたち健康道場のコンセプトである「食・身体・心」のリバランスにもつながる考え方で、心身健康道場でも長年実践しているものです。
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