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清流が育む旨い日本酒。奥多摩・澤乃井で酒蔵見学を楽しむ

もっと見るタグ: 奥多摩, 日本酒, 癒されスポット探訪, 美術館, 豆腐, 酒蔵

[東京・奥多摩]澤乃井醸造元 小澤酒造

[東京・奥多摩]澤乃井醸造元 小澤酒造

銘酒 澤乃井で知られる小澤酒造。歴史漂う美しい佇まい

都心から車を走らせること1時間半。全国屈指の名水の郷、青梅・御岳渓谷沿いにある澤乃井醸造元・小澤酒造は、元禄15年創業の300有余年の歴史をもつ酒蔵です。『澤乃井』という名は、豊かな水が沢となって流れていることに因み命名されたもの。秩父古生層から湧き出る豊かな仕込水で造る澤乃井の日本酒は、どれもキレのよい後味が印象的。また奥多摩は四季の美しい情景も魅力で、北原白秋をはじめ多くの芸術家たちからも愛された土地でもあります。酒蔵に併設された澤乃井園では、美しい自然を愛でながらお食事を楽しめ、日本酒好きの方のみならず観光スポットとしても大変人気の高い場所です。

澤乃井には元禄蔵・明治蔵・平成蔵と、建設された時代の異なる3つの蔵があります。元禄蔵の重厚な扉をくぐり、分厚い漆土の壁に守られた蔵の内部に入ると、適度に湿り気を帯びてひんやりとした空気と、鼻腔をくすぐる酒蔵独特の麹の甘い芳香が出迎えてくれます。土蔵造りのこの蔵は、外気温の影響を受けにくいため温度変化が少なく直射日光が入らないことから、現在は貯蔵タンクや瓶詰めの古酒を保管するセラーとして利用されているそうです。300年前の建造物が今こうして現役で活躍している様子を、実際に訪れて五感で体験することは、とても感慨深いもの。太い梁の組構造は歴史的にも価値をもつ建築様式で、一見の価値があります。

  • 「社員が担当制で酒蔵をご案内しています」と話す小澤酒造の福岡さん。お客様との対話を大切にしていて、時には社長自らが案内することも

  • 元禄蔵の古酒がずらりと並ぶ一角。日本酒も年を重ねるごとに琥珀色に変化し、美しいグラデーションを描いています

酒樽は現在、琺瑯(ホウロウ)やステンレス製が主流ですが、澤乃井では昔ながらの木桶仕込みを復活させる活動も行っています。「自然の力を上手く利用する木桶には、またその良さがある」と、福岡さん。木桶仕込み保存会にも参加、日本酒文化の継続にも力を入れていると話してくださいました。

  • 琺瑯(ホウロウ)製の大きな酒樽は、すべて職人の手作り。それぞれ微妙に大きさが異なっているのも味わいがあります

  • 樹齢300年の杉で作った3000ℓの木桶

酒米となる山田錦という米の品種の特筆すべき点は、「一粒一粒が大きい」「たんぱく質や脂質の含有量が少ない」こと。一層クリアな味わいの吟醸酒や大吟醸(※1)を造る時には、酒米を更に磨き、心白(しんぱく)という中心部のみを使います。そのため米一粒が大きい山田錦は、酒米に適合性が高い品種であるとのこと。また、求める酒質により、使用する米も違うそうです。

※1 吟醸酒や大吟醸……吟醸酒は精米歩合60%以下、大吟醸酒は50%以下に磨いて造る清酒を指します。澤乃井の最高銘柄「梵(ぼん)」は、三割五分まで磨き込んだお米を使用して造る大吟醸酒です。

  • こしひかり玄米(左)と、酒造好適米の山田錦玄米(右)。並べると粒の大きさがずいぶん違います

  • 35%まで磨きこんだ心白は、澤乃井の大吟醸酒「梵」用のもの。3日かけて慎重に精米します

また吟醸酒の製造過程で出た白い糠は、吟糠(ぎんぬか)としてお料理や製菓などに使われます。素材を無駄にしない知恵も素晴らしいですね。

澤乃井の日本酒は「蔵の井戸」から湧き出る中硬水と、「山の井戸」から引く軟水の二つの湧水を使用しています。いずれも鉄分やマンガンといった不純物が少なく、日本酒の仕込み水として高いレベルの水質。性質の違う二つの水を使うことで酒造りにも広がりが生まれるそうです。仕込水は澤乃井園内で試飲も可能。クセもなく、まろやかな味わいが印象的でした。

  • 蔵の井戸の入り口付近。170年前にノミ一本で掘られた横井戸の奥行きは140メートル。秩父古生層から沁みいでる仕込水は、かつて「腐造知らず」の水と言われたそう

  • 300年の歴史を有する澤乃井の酒造り支えてきた、こんこんと湧き続けている岩清水

澤乃井園の中にある「きき酒処」では、常時10種類程度の日本酒を手頃な値段で楽しむことができます。

5勺(90ml)の利き酒用お猪口で、色味や香りを確認しながら飲み比べ

澤乃井園内の売店では、澤乃井のお酒を購入することもできます。利き酒で好みの味を見つけたら、是非選んで持ち帰りたいですね。

  • 大吟醸「梵」
    研ぎすまされた上品な味わい。吟醸香豊かで、後味が美しく奥深さを感じます。淡白な白身のお刺身に合う日本酒

  • 純米吟醸「蒼天」
    吟醸ならではの華やかな香り。コシのある味わいはチーズに合わせるのも面白いかも......と感じた日本酒です

  • 木桶仕込「彩は」
    ほんのりと木桶の香りを感じる個性的な香りとキレのある酸味が特徴。旨み成分が多いので、料理酒として贅沢に使うとお料理がワンランクアップしそう。日本酒のみを使ったお鍋にしたら間違いなく美味しいはず

  • 熟成「蔵守」 ※会員店限定品
    日本酒は新酒が珍重されがちですが、実は熟成しても美味しい。琥珀色の色味とトロリとした飲み口、濃縮された深みのある香りは、日本酒という枠を超えた旨みがあります

酒蔵見学のあとは、園内にあるお食事処「豆らく」へ。
同園内にあるお豆腐懐石「ままごと屋」の自家製豆腐をカジュアルに楽しめるお店で、老若男女問わず人気です。「吟糠の揚出し膳」の主役である揚出し豆腐は、一晩かけてしっかりと水切りした豆腐を、吟糠の衣でさくっと仕上げた手間のかかったひと品。彩り鮮やかな小鉢籠は、おからを使ったヘルシーなポテトサラダなど、料理長のきめ細やかな心遣いがキラリと光る小鉢が並びます。身体に優しい食事を楽しんで欲しいという思いから、特に調味料は厳選し、素材本来の味を引き出す味付けを大切にしているそうです。

  • 吟糠の揚出し膳
    揚げ出し豆腐の衣には、大吟醸原料米を精米するときにとれる上粉(吟糠)を使い、さっくりとした食感に仕上げています

  • 自家製豆乳(黒蜜入り)
    濃厚でありながらさらりと消える後味の良さ。はじめに豆乳だけ味わい、次に黒蜜と混ぜて飲むと2度美味しい!

歴史が紡ぐ確かな技術力や造り手の想いに触れる酒蔵見学は、大人の知的好奇心を満たしてくれる楽しい時間。澤乃井園の中には櫛かんざし美術館などもあり、伝統の技術や職人の心に触れることができます。日本酒好きな方だけでなく、清々しい自然や歴史や芸術を愛する方にも、ぜひ訪れて頂きたい場所です。

取材日:2014年9月11日

STAFF紹介

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福岡睦月さん
東京・奥多摩の地酒として親しまれてきた造り酒屋・小澤酒造にて広報を担当。

小澤酒造株式会社

営業時間 10:00 ~ 17:00
見学は予約制。1日4回(11時、13時、14時、15時)開催。 他、店舗営業時間等は澤乃井webサイトにてご確認ください。
定休日 月曜定休(祝日の場合翌日)
年末年始の営業日程などは澤乃井webサイトにてご確認ください
交通 JR沢井駅より徒歩3分
圏央道青梅ICから14km30分
〒198-0172 東京都青梅市沢井2-770 (地図
電話 0428-78-8210
WEBサイト http://www.sawanoi-sake.com/

ライター紹介

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vege料理家 秋場 奈奈
幼少から重度のアレルギーを持ち、アトピーやアナフィラキシーで生死の境をさまよう体験をきっかけに、体質改善を決意。健康と食について学び、現在は発芽酵素食やローフード、マクロビオティックを中心にvege(ベジ)料理家として活動。ファッションブランドのパーティーケータリング、お料理教室、出張料理のほか、ワークショップ、レストランのアドバイザーなども。
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