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日常に寄り添う芸術。Sghr スガハラで出逢う、ガラスの優美

もっと見るタグ: カフェ, ガラス, ガラス作り体験, 九十九里, 体験教室, 千葉, 癒されスポット探訪

[千葉・九十九里] Sghr スガハラファクトリー

[千葉・九十九里] Sghr スガハラファクトリー

海辺からほど近い、九十九里の工房。穏やかな時間が流れる場所

美しいデザインで多くの人々を魅了する「Sghr スガハラ」は、かつて東京下町で発展したガラス製造加工技術を支えた、ガラス工房です。
温暖な気候と豊かな自然に満ちた千葉・九十九里の地に工房を移転し、今年で53年。風光明媚な九十九里の地で、1点1点職人が手作りする作品は、職人の卓越した技で工芸品としての美しさを極めながらも、「日々暮らしの中で使用できるものを」という一貫したコンセプトのもと作り出されています。現在オリジナルのデザイン数は4,000種類を超え、更に在籍するガラス職人たちが毎年150種類以上発表し続けているユニークな存在です。

今回の探訪取材では、Sghr スガハラの製品が作られている臨場感あふれた工房で、職人の指導のもとガラス作りを体験。ガラスの奥深さを知る貴重な経験となりました。

クラフトマンシップ溢れる工房で体験する、ガラス作り

  • 溶解炉を囲み、チームでテンポよく制作が行われます

  • ガラス作りはスピードが命。素早く集中して作業をしていきます

溶解炉を中央に配した工房は、夏場は45度を超えることもあるという過酷とも思える環境。そんな中で、ガラス職人たちが無駄な動きもなくガラス制作をする様子は、まさに圧巻の一言。
デザインと製造が分業化する他の一般的なガラスメーカーとは異なり、在籍するガラス職人がデザインから製造までの工程を全てこなしています。常にガラスに向き合い、素材の特性を熟知しているからこそ、ガラスがもっとも美しくなる瞬間を捉えることが出来る。Sghr スガハラの独創性を支える現場のチカラを間近に感じ、ガラス作りを体験できるのは本当に楽しいものでした。

熱に緩んだ柔らかなガラスの感覚。体験で知るガラスの様々な表情

熱を帯びて柔らかく、真っ赤になった溶解ガラスを吹きパイプに巻きつけた様子

体験では「のばし」と「吹き」という工程の異なる2つのコースから選びます。今回体験した「吹きコース」は、パイプで息を吹き込みガラスをふくらまし形を作る「宙吹き」という工法です。

パイプの先に巻きつけた溶けたガラスに、そっと息を吹き込む。溶解炉から出て来たガラス玉は、瞬く間に変化します

珪砂(けいしゃ)と呼ばれる砂とソーダ灰・石灰が主原料の溶解ガラスを使用します。1400度に溶けたガラスは水飴の様な独特の柔らかさが。わずかな時間の中で、どんどん冷え固まってしまう為、思った通りに成形する難しさを実感しました。

パイプの付いている側の『器の口』になる部分を道具で挟んで調整。手を止めるとガラスが垂れてしまう為、滑らかに回し続けます

炉に入れて、ガラスを柔らかくして形を整える作業を数回繰り返します。職人のサポートを受けながら作業していくので、一瞬自分も工房の一員になったような気分に。

溶かしたガラスで底面にパイプを付け反対側を切り離し、広げて器に口を作ります。片手でパイプを転がしながらの作業はバランス感が大切
最後にバーナーで底面を整えて完成。

実際の製作時間は5分程度とあっという間ですが、集中して製作するので、終わるとほっとした気持ちに。
このあと、徐冷炉に入れて約3時間、ゆっくりと熱を取り除きます。

完成品。手にしっとりと馴染むガラスのひんやりとした触り心地

併設のショップは、見るだけでも楽しい品揃え

  • Sghr スガハラのほぼ全商品が揃うのは、工房内にあるこちらのショップだけ

  • ロングセラーの定番から新作までがずらりと並び、眺めているだけであっという間に時間が過ぎてしまいそう

全国に展開する直営店の中で、4000種類にものぼる製品が一堂に会するのは、ファクトリーショップだけ。豊富なデザインから好みの一点を選びたいという理由で、訪れるお客様もいらっしゃるそう。あれこれと手に取りながら選ぶ時間も、心が休まるひと時になりそうです。

Sghr スガハラの器を、実際に楽しめるカフェも

  • 同じ敷地内にある緑の木立に囲まれたカフェ。天気の良い日にはテラス席もオススメ

  • 提供されるグラス1つとっても様々な色やデザインがあり、見ているだけで楽しい

隣接するカフェ「sghr café」では、実際に食卓で使う器として商品の数々を見ることが出来るのも楽しみの一つです。大きな窓から手元のガラスの器に陽光が差し込み、店頭で見る時とはまた違う表情を発見できます。Sghr スガハラの直営カフェとして、北青山にスタイリッシュな雰囲気のカフェ「reSt(レスト)」がありますので、九十九里まで足が伸びないという方にもオススメです。

器には様々な材質のものがありますが、光を透過するのは唯一ガラスだけ。光と影の美しさを食卓の中に取り入れてみると、いつものお食事が一層華やいで見えることも。愛着ある器を使うと、いつもの食事がランクアップしてより美味しく感じるはず。
ガラスの器は日々の暮らしを彩り、食事を一層楽しくするもの。Sghr スガハラでは、素敵なガラスの器だけでなく、日々の食事を慈しむ心を見つけた気がします。

2016年7月28日

Sghr スガハラ(菅原工芸硝子株式会社)

営業時間 ファクトリーショップ・カフェ 9:00~18:00
ガラス体験は要予約
定休日 年末年始以外 無休(不定休あり)
交通 〒283-0112 千葉県山武郡九十九里町藤下797 (地図
電話 0475-76-3551
WEBサイト http://www.sugahara.com/

ライター紹介

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インターナルビューティ・プランナー 渡邊かおる
身体の内側からの健康美を自ら実践し、周りに伝えるべく活動中。野菜ソムリエ・ベジフルビューティアドバイザー、ダイエットアドバイザーなどの資格を持ち、食育シンポジウム委員として在籍する区主催の料理教室も開催。その他ラジオ出演、食関連のワークショップやコラムの執筆、レシピ開発など多方面で活躍。
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