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[神奈川・箱根強羅]強羅公園内、貸切陶芸工房「陶びら」
プライベートレッスンで、陶芸の奥深い世界への扉を開く
大人の趣味として人気の陶芸。無心で土と向き合うと、その時の感情が作品に映し出されることがあり、自分と向き合う儀式のようでもあります。このような面白さが、人々を魅了して止まない理由かもしれません。
温かい味わいの陶器は、「磁器(石もの)」と区別して「土もの」といわれ、原料となる粘土は気泡が多く吸水性があるため、使い続けると色や風合いが変化するという特徴があります。使うほどに味が出るのもまた、陶器の楽しみの一つです。
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公園のシンボル、樹齢100年のヒラヤマ杉。その先に広い空と箱根の山々を一望に見渡せます
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強羅(ごうら)を代表する紅葉スポット、箱根強羅公園
箱根登山電車の強羅(ごうら)駅近くに位置する箱根強羅公園は、四季折々の風情が美しい日本初のフランス式庭園です。訪れた秋の日は、もみじが鮮やかな赤色に染まっていました。
陶芸体験は、お出迎えから
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公園の入り口で、作務衣を着た講師がお出迎え
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箱根強羅公園内の紹介を受けながら、「陶びら」へと案内されます
公園内にある貸切陶芸工房「陶びら(とびら)」は、専属の陶芸作家の直接指導で本格的な陶芸に挑める体験教室で、大人の休日にもぴったりの場所。
作務衣をまとった講師が出迎えてくれる、特別なおもてなしも「陶びら」ならでは。園内の木々や花を愛でつつ会話をしながら、陶芸に挑む気持ちを高めていきます。
「体験を通して、作る喜びや陶芸の楽しさをお伝えできるよう、コミュニケーションを大切にしています。作るものは、特別なご用命がなければ、日常使いの器がお薦め。日々触れることで、器への愛着を深め、再び「陶びら」を訪れたいと思える、”器と人と工房”の末永いお付き合いのきっかけになれたらと考えています。」
担当頂いた陶芸作家の高須賀さんは、とても気さくに陶芸の魅力や作陶の楽しみを教えてくれました。

TO-VILLA(別荘)は「陶びら」という教室名の由来でもあります
別荘のような設えの工房は、完全貸切のため、他のお客様への気兼ねなく楽しめるのも人気の理由です。大人同士で楽しむ他、親子連れやカップル、はたまた豪華に1人で貸切ってしまうのも贅沢ですね。室内は心地よいBGMが流れ、その空間にいるだけで自然に気持ちがリラックスしてゆきます。
まずは陶芸体験の説明と、
作りたい作品のイメージ選び
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見本に触れながら、5種類の粘土と約10種類の釉薬(ゆうやく)の説明を受けます
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色とりどりの見本。粘土と釉薬の組み合わせは無限大
作る器と方法、そして使う粘土と釉薬の種類を、講師と相談しながら決定します。好みに応じて自由に作ることが出来ますが、何を作ってよいかピンとこない……と感じたら、作例写真集などを参考にしながらアイデアをかためていくこともできるから安心です。
粘土は、信楽赤土、信楽黒土、黒御影土、半磁器土、備前土のなど、全国からよりすぐった5種類。釉薬は、乳白(にゅうはく)、青釉(あおゆう)、黄瀬戸(きせと)、桃色(ももいろ)、紅志野(べにしの)、織部(おりべ)など10種類以上の中から選べます。粘土と釉薬の組み合わせによって、出来上がりの風合い・色合いが異なってくるため、見本に触れ質感を確かめながら決めていきます。
次に電動ろくろと手びねりの2つの方法から、好きな作陶スタイルを選びます。時間内であれば、粘土も無制限に使用できるという、自由度の高さも貸切教室だからこそのメリットですね。

一人ひとり丁寧に指導をしてもらえるので、お茶碗や大皿、初心者でも蓋付きもの等、難易度の高い作陶にチャレンジ出来るのも嬉しいところ。なかには金魚鉢や大振りなオブジェを作成される方もいらっしゃるそうです。何を作ろうかと思い巡らすのも、贅沢な時間ですね。
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作務衣に着替えて、気分は陶芸家。電動ろくろの使い方と作業工程を講師が解説してくれます
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ろくろの中心に土台を作ります。粘土に手を添えて上下し、バランスを整える大事な作業。 初心者には講師が準備してくれます
作務衣に着替えていよいよ作陶開始です。ろくろの中心に合わせて土台を作りバランスを整えてゆきます。脇に置かれた水桶で、手を適度に湿らせながら触れると良いそうです。
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水に浸した両手でしっかりと土を包み込みます。力加減を同じにすることが、バランスをつくるポイント
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土を挟んだ利き手をもう片方の手でしっかり支えながら、キツネ型にして挟み込み縁を持ち上げます。目線は手元に集中
土台がしっかり作れたら、力加減を調整しながら好みの形状・大きさまで成形し、徐々に自分の作品のイメージに近づけていきます。崩れそうになっても、すかさず講師が見事な手さばきで調整してくれるので大丈夫。
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指を中心からゆっくりと動かすタイミングで、模様も付けられます
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糸を使って作品を土台から切り離します
仕上がりは2割ほど縮むので、少し大きめに仕上げ、水にぬらした柔らかいなめし皮を縁にあてて整えました。縁は重要なポイントなので、丁寧に仕上げると良いとの事。土台から糸を使って切り離し、完成です。

ここから先は講師にお任せします。乾燥させ底の部分を成形し、素焼き→釉薬→本焼きの手順を踏んで2ヶ月程で手元に。陶芸は土に触れて作る時間だけでなく、乾かして釉薬をかけて焼く時間が必要なのです。売り物の器だけを見ていると忘れがちですが、体験を通して作家が作るその過程に思いを馳せるきっかけにもなります。

静かな環境の中でゆっくりした時間を楽しむ、ワンランク上の陶芸体験は、せわしない日常を振り返るよいきっかけになるかもしれません。季節ごとに表情を変える箱根を楽しみがてら、「陶びら」に時折訪れてみるのも面白そうですね。
取材日:2014年11月24日
STAFF紹介

- CRAFTHOUSE陶芸家 高須賀 誠 氏
- 愛媛県出身。倉敷芸術科学大学大学院卒業。 陶芸の祭典「金沢わん・One大賞」にて2008年度入選を受賞。以後東京有名百貨店などで個展を開催するなど、精力的に作品を発表。 「刷毛目」や「粉引」等伝統的な技法を用い、釉薬の個性や特性を活かした作陶を得意とする。
貸切陶芸工房 陶びら(TO VILLA)
予約制
9:00 〜 17:00(最終受付時間15:00)
定休日 | 年中無休 ※雪や台風など悪天候の際はお休みすることがあります。 |
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交通 | 箱根登山鉄道:強羅駅から徒歩約5分 箱根登山鉄道ケーブルカー:公園下駅から徒歩約1分 観光施設めぐりバス:強羅公園下車すぐ 〒250-0408神奈川県 箱根町強羅1300 箱根強羅公園内 (地図 ) |
電話 | 0460-83-8187 |
WEBサイト | http://www.to-villa.com/ |
ライター紹介

- インターナルビューティ・プランナー 佐々木かおる
- 身体の内側からの健康美を自ら実践し、周りに伝えるべく活動中。野菜ソムリエ・ベジフルビューティアドバイザー、ダイエットアドバイザーなどの資格を持ち、食育シンポジウム委員として在籍する区主催の料理教室も開催。その他ラジオ出演、食関連のワークショップやコラムの執筆、レシピ開発など多方面で活躍。
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