腰痛は生活の質(QOL = Quarity of Life)を下げる要因としても、看過しがたい症状のひとつです。近年、デンマークで行われた調査によると、腰痛や首など背骨周りの痛みを持つ人は、そうでない人にくらべ、死亡率が高いという報告もあり、健やかに日々を送るためにも、早期改善に努めたいもの。実生活の中で改善すべき具体的なポイントについて考えてみましょう。
痛みの出る腰だけが原因とは限らない?
理学療法で用いられる「運動連鎖」という言葉をご存知でしょうか?「運動連鎖」とは、隣接する関節の運動が、他の関節や筋肉に影響を及ぼすということを意味します。ある部位の痛みや、不具合の原因を把握・改善するために、他の関節や筋肉の動きを良くする、治療メソッドの1つでもあります。
腰の痛みを感じる時、他の関節の不具合、筋肉の過緊張や筋力低下の影響を受けている可能性があり、痛みのある部位だけでなく、体全体を俯瞰的な視点でチェックすることが大切です。
股関節の可動域が狭くなると、腰に負担がかかりがちに
階段を使う機会が減ったこと、長時間のデスクワーク(座位が多い生活)、トイレの洋式化など、現代は日常の中で股関節を動かし鍛える機会が減少しています。動かす機会が減れば、周りの筋力が落ち柔軟性が失われ、必然的に可動域が狭くなってしまいます。
このように、本来柔軟に動くはずの股関節の可動域が狭くなると、周りの関節や筋肉が「運動連鎖」によって補おうとするため、腰に負担が溜まりやすくなるのです。
股関節の左右バランスを調整する
股関節・膝関節周りの筋肉調整ストレッチ
股関節を上手く動かすためには、股関節から腹部にかけてつながる腸腰筋、内太ももに位置する内転筋、お尻に位置する大殿筋や太もも裏側のハムストリングなどの柔軟性が大切です。
股関節を動かす筋力を鍛える
股関節周りの筋肉強化
股関節の動きをスムースに保つためには、内転筋が重要です。座位が多い現代生活では、内転筋を動かす機会が少ないため、軽いトレーニングを意識的に行うことが重要です。
股関節の可動域を改善するためにも、普段のストレッチやちょっとした運動が大切です。
動かすポイントに意識を集中しながらトレーニングを行うと、ハードなトレーニングでなくとも効果がありますよ。身体に無理のない範囲で、取り組んでみてはいかがでしょうか。
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