靴擦れ、胼胝(たこ)、巻き爪やハンマートゥ……。症状に悩みつつも、どの科にかかればよいか分からず、重篤な状態になるまで放置……という事例は、年齢が上がるにつれ多くなる傾向にあるそうです。
「ポダイアトリー(Podiatry)」は、日本語に直すと「足病学」。靴を履く歴史が長い土地で発展した医学分野です。そのため、欧米では耳鼻科や歯科同様に「足科」という専門外来が多く設置されており、足の病変に関する相談がしやすく、フットケアに関する意識も高いと言われています。
少し視点を変えて、糖尿病と足の密接な関係についてのお話を。
糖尿病の合併症として知られる「下肢の病変」。 糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、動脈硬化などが原因で血流障害が起こりやすいため、靴擦れなどの傷が悪化しやすく、足潰瘍へと進行するとされています。また、抵抗力が低下しているため、細菌や水虫などの感染を招きやすくなるだけでなく、一度発症してしまった足潰瘍を再発しやすい状態になります。結果、組織が壊疽を起こし、重篤な場合は下肢の切断に至るケースも少なくありません。
一例ではありますが、QOL(Quality of Life=生活の質)の低下を招く糖尿病合併症による下肢切断を予防する目的で、フットケアの重要性や、医学的な側面から見た「ポダイアトリー」が、日本でも注目されるようになってきました。
もちろん糖尿病でなくても、健脚は大切なこと。足に病変があると、行動が制限されてしまいますし、運動不足の一因にもなりかねませんから、足のお手入れはとても重要です。
まずは、足の状態の変化を見逃さないこと。ご自身やご家族で、日頃から足のチェックやケアを行い、気になることがあれば、専門機関に相談することが大切です。
お近くの病院で、ポダイアトリー外来があるところは少ないかもしれませんが、皮膚科や内科で相談すると、適切なアドバイスを受けることが出来ます。また信頼のおける巻き爪ケア専門サロンなど、日常的なケアを実践することも、足病変予防に役立つ場合があるでしょう。

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