体調不良が続いて病院に行ったのに、診察では特に異常が見つからない……。
このような原因不明の体調不良は、自律神経の乱れによるものかもしれません。

自律神経は交感神経と副交感神経から成り立ち、人間の生体恒常性（ホメオスタシス）を保つ役割があります。不規則な生活や精神的な疲れや季節変動など、女性の場合はホルモンバランスの変化なども含め、ストレス刺激の種類は多岐に及びます。受けるストレスが大きくなると、自律神経のバランスが乱れてしまい、日常生活に支障をきたす場合もあり、注意が必要です。

症状の出方や程度は人それぞれですが、兎にも角にも早めに対処することが大切です。

自律神経失調にもタイプがある

自律神経失調症には、大きく4つのタイプがあると言われています。生まれ持った特徴や体質にもよりますが、自律神経失調症の症状の多くは、日頃のストレスが影響して起こると考えられています。裏返すと、ストレスを低減することや、ストレスからの回復力をつけることで、回避出来る場合も多いということです。

意外？ストレスだけでなく、食生活に問題が潜んでいる場合も

飽食の時代といわれる現代ですが、ビタミンやミネラル不足のような「新型栄養失調」も留意しなければならないポイントです。

こちらのコラムでは、自律神経の乱れに起因して起こる様々な不調や症状の緩和に役立つ食材を紹介してみたいと思います。

セロトニンの材料となるトリプトファンが豊富な食材を

俗に、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」は、腸や脳で合成されるホルモンです。この「セロトニン」を作るためには、必須アミノ酸である「トリプトファン」が必要不可欠。トリプトファンは体内で生成できない成分ですから、食事から摂取する必要があります。

食事から摂取した「トリプトファン」は、日中は脳内で「セロトニン」に変化し、夜になると睡眠を促す「メラトニン」に変化します。

そしてこの「トリプトファン」という成分は、体内に保管することができないため、気をつけていても、ちょっとしたきっかけで不足に転じてしまうこともあるので、注意が必要です。

道場推薦！トリプトファンが豊富なオススメ食材

では「トリプトファン」はどのような食品に多く含まれていて、どのような食品と合わせて摂れば効果的なのかを考えてみましょう。 脳内で分泌する「セロトニン」の合成には「トリプトファン」の他、ビタミンB₆や炭水化物などの材料が必要です。

・バナナ

バナナは「トリプトファン」の含有量が突出して多いわけではありませんが、「トリプトファン」を「セロトニン」に合成する時に必要なビタミンBや炭水化物を全て含む優秀な食材です。単体で美味しく食べられること、調理も不要で食生活にプラスしやすいというメリットも。

・大豆などの豆類

大豆や、納豆や豆腐は「トリプトファン」が豊富に含まれています。たんぱく質が豊富であることに加え、カロリーは控えめ。道場レシピの中でも、良く用いられる優秀食材です。玄米など、ビタミンB_６と炭水化物を含む食品と一緒に食べると一層効果的。

また、きなこや豆乳などの大豆加工食品も「トリプトファン」が豊富です。毎日のカフェ・ラテをソイ・ラテにしてみるとか、3時のおやつにきなこを用いた和菓子をいただくなど、工夫して摂取量を増やしましょう。

・にんにく

疲労回復効果が高いイメージのあるにんにくには「トリプトファン」が豊富に含まれています。単体で食べるものではありませんが、味わいのアクセントとして用い、日常の食事に取り入れやすいタイプの食材です。にんにくの持つ独特の香りは、食欲増進にも役立ちます。

・ピスタチオ

栄養価が高いことから、別名ナッツの女王と呼ばれるピスタチオも「トリプトファン」や「ビタミンB_６」が豊富な食材の一つ。不飽和脂肪酸を豊富に含み、健康間食（おやつ）としても有用です。こちらも日々の食生活に取り入れやすいアイテムの一つですが、カロリーは高めなので、食べすぎにはご注意を。