
高温多湿の室外環境では汗をかき、エアコンの効きすぎた室内環境では身体が冷えすぎ、さらに室内外を行き来することによって自律神経が乱れ疲労困憊してしまう夏。これらの「疲れ」は、肉体活動のエネルギー消費からくるものでなく、神経の疲れが原因だということ、ご存知でしたか?
こちらのコラムでも触れていますが、疲労には「肉体的疲労」「精神的疲労」「神経的疲労」の3つが存在すると言われています。実は、私たちが夏に感じる疲労の多くは、この中の「神経疲労」に類するものなのです。
夏の厳しい環境の中に置かれ、高いストレス状態が続くと、体内では活性酸素が発生しやすくなります。発生した活性酸素量が抗酸化酵素の働きを上回ると、自律神経が攻撃され神経細胞の破壊や損傷が起こり、やがて夏バテのような疲労蓄積へ発展するとされています。
食欲不振から起こる食の偏りが、肥満を招く
高温多湿の夏は、自律神経が乱れやすく、食欲不振などの不調が起こりやすい季節。加えて過度な発汗で、体内の水分量も不足しがちです。
体内の水分が不足している状態では、水分が多く口当たりのよい食事を求めてしまうのは無理もありません。また暑さから、身体の熱を冷ましてくれる一皿を選びたくなる。このように、夏の食欲不振時は食事に対して消極的なチョイスが重なりやすく、「冷たい麺類」のようなメニューが頻繁に選択されやすくなります。この結果、野菜やたんぱく質などの必要な栄養は不足し、糖質過多に傾いてしまうのです。
加えて、夏場は清涼飲料水の摂取量が増え、アイスクリームなどの冷たいスイーツを頂く機会も増えます。悲しいかな、これらもカロリーオーバーの原因となってしまうのです。
夏の汗は「エネルギー消費」ではなく「体温調整」のもの
汗をたくさんかくと代謝がよさそうに感じますが、夏はむしろ逆の可能性も。人体にはホメオスタシス(恒常性)という機能が備わっていて、一定の状態に保つことで生命活動を維持しています。気温と体温に差が少ない夏は、体温を維持するために消費されるエネルギーは小さくなる。実は、冬よりもエネルギー消費が少なく、太りやすい季節なのです。
夏の発汗は、体温を調節するためのものであり、エネルギーはほとんど消費していないため、汗=代謝の結果ではありません。
驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、大事なことなので、しっかり覚えておいてくださいね!
夏太りを防ぐ解決策とは?
夏特有の疲れに由来する、食欲とエネルギー消費問題の不均衡には、ちょっとした意識改革が必要です。一人ひとり、生活のリズムは異なるものですし、無理は禁物。簡単にできそうなことから、実践してみましょう。
睡眠は、夏バテに効く一番の良薬
言うまでもなく、睡眠の質は翌朝以降の活動や精神状態に大きく影響します。寝苦しい夏の夜は、睡眠の質が低下しやすく、溜まった疲労をリセットするチャンスが失われやすい。これでは夏バテをより一層悪いものにしてしまうので、睡眠の質を下げない工夫が大切です。
まずは寝室や寝具など、睡眠に適した環境づくりをすること。
睡眠2時間前までに入浴する、照明を暗くする、スマホを見ないなどの快眠の基礎はもちろんのこと、眠りにつく1時間ほど前からエアコンを利用し、寝室を睡眠に適した温度に調整しましょう。さらに寝具やパジャマを夏仕様にすることで、寝床内気候を整えることも大切です。
実は腸内環境を整えることも、睡眠の質を向上に役立つことが判っています。
ラクトフェリンというたんぱく質が、腸内環境を整え、便通をよくする作用の他、眠りの質を向上する作用を持つことが、研究の結果判っています。
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食事は野菜や果物を意識的に摂取
糖質過多に陥りやすい夏、食生活のバランスを取り戻すために、積極的に野菜を摂ることを心がけてみましょう。野菜は水分を多く含むため、身体の乾きを癒してくれる他、不足しがちな食物繊維やビタミン、ミネラルを豊富に含んでいます。好みの野菜をミキサーにかけて冷たいジュースに仕立てれば、栄養摂取と身体の熱取りの一石二鳥の効果が見込めますよ。
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室内でも出来る軽い運動を、毎日少しづつでも
室内にこもりがちだと、エネルギーが消費出来ず、睡眠にも影響が出やすいものです。簡単な運動で構いませんので、こまめに身体を動かすことを心がけましょう。
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湯船に入って、リラックス
夏は入浴も簡単に済ませがちですが、交感神経をリラックスさせる効果がありますので、ぜひ湯船に浸かりましょう。
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