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痛みと睡眠の不思議な連鎖。睡眠不足は肩こり・腰痛に悪影響

もっと見るタグ: 健康雑学, 痛み, 睡眠, 睡眠の質, 睡眠負債, 肩こり, 腰痛

私たちは、生きる上でなるべく快適であろうと努めて生活をしています。
「健康でありたい」と願うことはその最たる例ですし、不快感を伴う痛みやつらさを和らげようとすることも快適な生活への欲求の一つです。

例えば、肩こりや腰痛。ゴールデンタイムの情報番組では日々特集が組まれていますよね。日常的に、マッサージや整体のお世話になっている人も多いのではないでしょうか。肩こりや腰痛は、もはや日本の国民病といっても過言ではありませんが、実はちょっとした工夫で誰しもが解消できる、ある意味嬉しい不快感のひとつです。

しかしながら、腰痛などは病院で検査をしても、痛みの原因が特定できない場合が80%以上といわれています。中でも慢性腰痛は原因究明が難しく、精神的なストレスが痛みの感じやすさに深くかかわっていることもわかっています。

睡眠と痛みに関する相互影響は、古くから経験的・体験的に知られるところでしたが、2017年医学誌「Nature Medicine」に掲載された発表資料によると、睡眠不足や睡眠の質の低下が、痛覚刺激(熱さや冷たさ、痛みなど)に対してより敏感になること、つまり痛みの感受性レベルが睡眠時間の長短によって変動することが、科学的にも裏付けられたそうです。

上記の調査結果の中で、意外なこともわかったそうです。睡眠不足が原因で痛覚感受性が上昇すると、痛み止めとして用いられるイププロフェンの効果が乏しかった反面、カフェインなどの覚醒作用(目を覚ます効果をもつ)成分が、痛みを和らげる効果があったという報告も。

つまり、

POINT
①睡眠不足や睡眠の質の低下は、痛みを悪化させる可能性が大きいこと
②睡眠不足によって増強された痛みには、鎮痛剤よりも覚醒作用をもつ成分が有効であること
③睡眠改善によって痛みレベルの低減が期待できること

このような痛みと睡眠にまつわる不思議な関係性が明らかになったのです。

日本は世界でも屈指の睡眠負債大国であると同時に、加齢による睡眠力低下も相まって、働き盛り世代の睡眠の質は危機的状況にあります。肩こりや腰痛など不快な痛みでお困りの方は、一度ご自身の睡眠を見直してみることから始めるべきかもしれません。

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