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腸のおもしろ話 第2回 腸の働きを最大限に高める<シンバイオティクス>とは?

もっと見るタグ: サンスター, サンスターしみず師範に聞く腸のおもしろ話, シンバイオティクス, プレバイオティクス, プロバイオティクス, 善玉菌, 清水, 清水康光, 腸内フローラ, 腸内環境

ここ数年の腸内細菌ブームの中で、腸に良いものとして、乳酸菌やビフィズス菌の存在は皆さん、よくご存知かと思います。ヨーグルトなどを買うときに、プロバイオティクスという表示などを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか?プロバイオティクスとは、乳酸菌やビフィズス菌、納豆菌など腸にとって有益な菌そのものを指し、これらの菌を直接、腸に届ける働きのあるものをこう呼んでいます。プロバイオティクスと対をなす形でプレバイオティクスという言葉もあります。食物繊維やオリゴ糖などがそれに当たるのですが、腸内にある善玉菌のエサとなるものを指します。食物繊維やオリゴ糖が腸内に吸収されることで元気な善玉菌が増え、結果、腸内の環境が整うというものです。プロバイオティクスとプレバイオティクス、このふたつを組み合わせて、腸の働きを最大限に高めようというのが今回、テーマにする「シンバイオティクス」というものです。まだまだ一般には知られていない言葉ですが、医療の現場ではシンバイオティクスの活用により、症状が改善に向かうといった報告もなされていて、健康を考えるうえで注目を集めつつあります。

腸内環境改善のカギ、<シンバイオティクス>
免疫力をアップして、健康寿命を延ばそう!

もう少し詳しく、説明してみましょう。プロバイオティクスの方が少しだけ歴史が古く、1989年にイギリスのフラー博士が提唱(※1)。腸内フローラのバランスを改善することができる乳酸菌やビフィズス菌に代表される生きた微生物のことを指します。プレバイオティクスとは、皆さんの腸内にいる善玉菌を選択的に増やすことができる栄養源や食品成分のことを意味し、1995年にイギリスのギブソン博士によって提唱されました(※2)

プロバイオティクス、プレバイオティクスのふたつを組み合わせた相乗効果により、人の健康の増進に役立てようとするのがシンバイオティクスで、こちらも1995年ギブソン博士がプレバイオティクスと同じ論文にて提唱したものです。
腸内細菌を元気にするという点では、普段の食事だけでなく、良質な睡眠、ストレスの回避、適度な運動などの生活習慣も大きく影響してきます。忙しい現代社会では、これらを上手にケアすることは多くの人にとって難しいのが現実です。普段の食事だけではなかなか改善へと導きにくい腸内細菌の環境に対し、食事に+αを補うという意味でプロバイオティクス、プレバイオティクスあるいはその両方を摂るシンバイオティクスを活用するというのは有効な手段と言えるでしょう。

プレバイオティクスの定義(※2)
  1. 消化管上部で分解・吸収されない
  2. 大腸に共生する有用な細菌の選択的な栄養源となり、それらの増殖や活性化を促す
  3. 大腸の腸内フローラ(腸内細菌叢)構成を健康的なバランスに変える
  4. 腸や全身の効果を引き出し、人の健康の増進維持に役立つ
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  • (※1)Fuller R. "Probiotics in man and animals", Journal of Applied Bacteriology, 1989;66:365-378
  • (※2)Gibson GRら. "Dietary modulation of the human colonic microbiota: Introducing the concept of prebiotics", The Journal of Nutrition, 1995;125:1401-1412