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徳川家康は雑穀のチカラで天下統一を果たした!?

もっと見るタグ: 日本食べ物語, 野菜, 雑穀

ライバル達よりも長生きすることで天下を手にした家康。

天下を統一し、300年近く続く江戸幕府の礎を築いた徳川家の初代「徳川家康(1543~1616)」。ライバルがひしめく戦国乱世において家康が天下を取った大きな要因のひとつは長生きしたことです。豊臣秀吉が63歳で没した後18年も生きて、75歳という長寿を誇りました。その長寿を支えたのは、家康の徹底的な健康管理にあったのかもしれません。

栄養豊富な麦飯と地元三河の特産物が長寿の秘訣!?

家康の長寿には麦飯が貢献していたと言われています。家康が好んで食べていた麦飯は雑穀の部類に入る粗食ですが、白米に比べてカルシウムは約3倍、食物繊維は20倍と栄養が豊富に含まれています。また、麦はよく噛まなければならないため、少量で満腹感を得られ、肥満予防に役立つというメリットもあります。さらに、御膝元の三河には八丁味噌や兵糧として重用された浜納豆などの発酵食品、折戸ナスをはじめとする野菜など、さまざまな特産物がありました。長寿の秘訣は麦飯と三河の伝統食品だったのかもしれません。

元祖健康オタクの長生き戦略。

司馬遼太郎が「覇王の家」という作品で「運動や節制が身体にいいことを知った初めての日本人」と評したように、家康は70歳を超えても積極的に鷹狩りや射撃を楽しむアクティブシニアでした。医薬にも詳しく、わざわざ薬剤の専門書「和剤局方」(1)を取り寄せてさまざまな薬を調合し、自ら服用していました(2)。これらの養生の数々により長生きした家康はまさに健康オタクの元祖と言えるかもしれません。健康のため日々養生を貫き続けたライフスタイルこそが、徳川300年の礎を築いた原動力。日々の生活が乱れがちな現代の私たちが学ぶべき点も多いのではないでしょうか。

  • (1)北宋時代の大観年間(1107~1110年)に中国で編纂された医薬品の処方集。
  • (2)参考 富山大学 和漢医薬学総合研究所客員教授 佐竹元吉のレポート「日本薬局方と収載生薬(PDF)
    国立公文図書館HP「将軍のア―カイブズ」に家康が「八ノ字」という丸薬を作って服用したことが事実として記載されている。
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